杉並区議会議員(無所属)堀部やすし最前線



東京都の懐に入る「23区側の税」
(2)もう政治決着しかない
清掃事業は、基本的に23区の仕事になって正解

 思い起こしてみれば、清掃事業が東京都の事務事業であったころ、今日のような夜間収集や早朝収集等は全く実施されていませんでした。

 体が不自由な方など、ゴミを集積所まで持ち出すことが困難な方のために、職員が玄関先まで収集に伺う「ふれあい収集」も、区に事業移管されて以降のサービスです。

 また、杉並区では、この4月から収集時間も早められ、できるかぎり可燃生ゴミを午後まで取り残さないよう、いっそうの努力が進められることになりました。

 しかしながら、東京都が清掃行政を一元的に管理し、事務を担っていた時代には、このような努力はほとんど行われることなく、そのサービスは極めて不満足なものでした。

 この数年の改善努力は、いわば各区が切磋琢磨することで、サービスを向上させてきた結果なのであり、これは住民に身近な行政サービスについては、各区に真の自治を認めたほうが効果的であることを証明しています。

 依然として、東京都の強い影響力下にある清掃一部事務組合が、急激に負債を増加させていることには強い懸念がありますが、それを除けば、区への清掃移管によって区民サービスが一定程度向上したことは間違いありません。


もう政治決着しかない


 しかし、都はこのような23区の改革努力をほとんど評価しないばかりか、23区の市町村税財源についても、なかなか手放さそうとせず、非常に手強い抵抗勢力となっています。

 都区間に残された期間は、たった1年間です。それも平成18年度の予算編成を思えば、実質的には残り半年程度の猶予しかありません。

 事務方による交渉の手詰まり感は、心中察するに余りあるものです。区長が指摘するように、この期に及んでは、もはや政治決着しかない状態と判断せざるを得ない状態にあります。

 政治決着ということは、区議会も議決機関として、課題の解明に応分の努力をしていかなければならないでしょう。区長からも提案・要請があったように、議決機関として、しかるべき時点で利害関係人たる都側の理事者に対する参考人招致を行い、課題を整理していくことが必要なのではないかと考えています。


法改正の趣旨に立ち戻れば


 議論が噛み合わないのは、まだまだ都側の主張に不明瞭な部分が残っているためです。

 法改正の趣旨に合わない主張をするのであれば、一定の根拠が必要ですが、東京都は、23区を植民地か何かと勘違いしているようで、かなり無理のある主張をしています(「都」制度の下では導入できない政令市制度の数値を根拠に持ち出すなど)。

 しかし、法改正によって、23区は、もはや完全に東京都の植民地ではなくなったのです。地方分権の趣旨に則った制度改正(財政制度の改正)が必要です。

 国の公約通り、「民間にできることは民間に、地方にできることは地方に」という現場重視の制度改正を貫徹させていかなければなりません。


今度は妥協できない


 平成12年度の改革では、東京都側に体よく寄り切られてしまい、課題は平成18年度へと先送りされました。

 激変緩和も必要ですから、当時の妥協は、それはそれで止むを得ないことであったかもしれません。しかし、今回はそうはいきません。

 このまま再び都に押し切られてしまえば、現在の枠組みが中長期的に固定的なものであることを図らずも認めてしまうことになり、その結果、改革のチャンスは2度と巡ってこないことでしょう。

 一定の時が経過してしまえば、その既得権は「永続した事実状態」として尊重されていくようになってしまいます。法改正からもはや6年。その意味でも、今回は、持てる権限のすべてを行使してでも、この難局に当たらなければなりません。

 政治決着ということでは、都議選や区議会とも無関係な話ではありません。とくに、この問題は、都区共通の財源に関するテーマである以上、都側は各区議会に対しても一定の説明責任を果たすべきですし、また都がそれを拒む理由もないはずでしょう。

 いまのところ、東京都は、明らかに法改正の趣旨を逸脱するような姿勢をとっていますが、きちんと噛み合った議論を進める必要があります。都側がなかなか要請(参考人招致)に応じない場合は、地方自治法100条に基づき、出頭要請することも辞さない強い姿勢で取り組みを進めなければならないでしょう。

 議会には、地方自治法100条によって、自治体の事務に関する調査を行い、関係人の出頭及び証言等を求める権限が認められています。これは議会に非常に広範な調査権を認めたものとされており、国や都の公務員についても、関係人として出頭を要請できることになっています。なお、100条に基づいて出頭要請を受けた者が、正当な理由なく、出頭しないときや証言を拒んだときは、6箇月以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処せられます。

 もちろん、こうした「伝家の宝刀」を抜くとなれば熟慮が必要ですが、万一、今回の都区制度改革が頓挫してしまうようなことがあれば、歪な都区関係が決定的に固定化されてしまいかねません。今年は23区の今後にとって非常に重要なターニングポイントであることを自覚し、不退転の決意で臨むことが必要でしょう。なお、詳しくは地方自治法100条をご確認ください。

 国会議員が地方分権改革に強く抵抗していたように、多くの都議会議員の発想もまた都の論理の延長上にあることが、この間少しずつ明らかになってきています。都議選に向けた動きが激化してきていますが、懸念材料の一つです。

 都内政界は、いま都議選一辺倒の流れで、各党各候補者間で火花を散らせています。しかし、この問題については、区長ほか交渉に当たっている事務方からの指摘の重さを真摯に受け止め、(党派や立場の違いを超えて)一致団結していかなければならないと感じます。

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