杉並区議会議員(無所属)堀部やすし最前線



今回の選挙は有効なのか(2)
日本を歪める「一票の格差」 投票価値の平等は民主主義の基本

   鳥取県民1人=東京都民5人


 日本では、東京都民が持つ1票も、鳥取県民の持つ1票も、投票価値が同じでなければならないことになっている(憲法14条など)。これは民主主義の基本でもある。

 しかし、今回の参議院選挙(選挙区)もまた、人口1,250万人の東京都が4議席で、人口60万人の鳥取県が1議席のままとなっていた。

 つまり、鳥取県の1票は、東京都民の5票分以上の価値があるわけだ。民主主義の下では,有権者の扱いは平等でなければならないはずなのだが、1票の格差は、すでに5倍を超えているのだ。こんな理不尽な状態が長く続いている。

 ちなみに、杉並区の人口は約52万人。近隣では、中野区が約30万人、板橋区が約52万人、練馬区が約67万人、世田谷区が約80万人である。かりに鳥取を基準にすれば、この5区で4議席あってもおかしくない。東京全体では20議席あっても不思議ではないことになる。

 今回の選挙を例にしても、たった15万票で参議院議員に当選できた鳥取選挙区の候補者がいたかと思えば、55〜70万票もの大量得票をしながら落選した候補者が、北海道、東京、大阪選挙区に存在している。


 【低得票の当選者
 (1)鳥取 田村耕太郎(自民党) 151,737
 (2)高知 広田 一(無所属) 159,178
 (3)徳島 小池正勝(自民党) 166,032
 (4)佐賀 岩永浩美(自民党) 197,100
 (5)香川 山内俊夫(自民党) 204,392

 【高得票の落選者
 (1)大阪 辻元清美(無所属) 718,125
 (2)東京 青島幸男(無所属) 596,272
 (3)北海道 西川将人(民主党) 552,993
 (4)北海道 鈴木宗男(無所属) 485,382
 (5)東京 今村順一郎(共産党) 453,287


 鳥取県などの有権者がいかに得をしているか、よくわかるだろう。それだけ国政に意見が反映しやすくなっているわけだから。

 東京都内で議員活動をしている立場としては、理不尽さを感じないわけにはいかない。北海道、東京、大阪などの議員や有権者は、与野党の枠を超え、改善を主張しなければならないと思うのだ。



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1.最高裁による異例の「警告」
2.鳥取県民1人=東京都民5人【このページ】
3.人口比5倍を超える格差を正当化できるか
4.偏向した議席配分が失政を産む
5.「需要」に見合った公共投資を進めるために


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