杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線2002/11



 
   〜杉並公会堂の建設等事業〜
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 あまりに不思議な入札となった「杉並公会堂」改築等事業。その後の状況も、それに輪をかけて深刻なことになっている。まもなく落札決定となる見込なのだ。

 簡単に振り返ってみよう。

 9月10日。杉並区役所で「杉並公会堂」改築等事業の入札が行われた。入札してきたのは1グループのみで競争入札は成立しなかった。

 当初多くの業者が関心を示し、入札参加申込をしていたのだが、直前になって他社は突然に入札を辞退してしまったというのである。

 ※入札者など詳細は、こちらをご覧いただきたい

 入札監視委員会も機能せず
 まず、不審な点が多すぎるので、私は専門家で構成されている入札監視委員会に諮るよう区に要請した。

 もちろん状況が状況だ。区がこれを拒否できるわけがなく、私の要請を表向きには受け入れていた。これは議会の議事録にもしっかり残っていることである。

 だが、実際には、この2ヶ月間、入札監視委員会では、何ら具体的な話し合いや調査は行われておらず、実質的に課題は放置されたままになってきた。

 それどころか、区は「入札の競争性は確保されていた」「こうしたことは、ままあること」と開き直っている状況である。こうした区の強気な姿勢や発言には首を傾げざるを得ない。

 しかし、これをメディアが報道することはほとんどなく、多くの区民の方は、こうした実態を知らないままになっている。本当に困ったことになった。

 議決はまだだが
 あまり実態が知られていないことをいいことに、区が好き勝手なことをしているフシもある。

 先日、ある報道をみていたら区の外郭団体が主催するイベントを紹介しながら「さよなら杉並公会堂」と大きく伝えていた。報道によると、新しいクラシック・ホールを建設するために、いまの杉並公会堂は今年度末で閉館するのだという。

 確認の意味で書いておくが、現在の古い公会堂を廃止して新しいクラシック・ホールを建設することは、まだ正式に議決されてはいない。

 これは向こう33年間に約300億円近くの公費負担が想定される大きな公共事業である。そんな簡単に議会で結論が出るわけがないのだが、あたかも現在の計画が確定しているかのように報道されているわけだ。

 なんのことはない。区が都合のよい情報だけをマスコミに流しているのだろう。外堀をどんどん埋めて、建設を既成事実にするつもりなのだろう。

 やはり仕切り直しが必要だ
 いずれも、とても正気の沙汰とは思えない。いったい何が区をそうさせているのだろうか。

 そこで、私は、区の内部における審査状況を調査することにした。

 入札者を落札と判断するかどうかは特設された審査会で検討されている。審査会は、妨害を防ぐため、生の会議は非公開としている。このため、会議の詳細を知るには手始めに議事を記録したテープを調べる必要がある。

 だが、公開すると困ることでもあるのか、担当者は今度は「記録テープを持っていない」などと言いはじめた。

 弁明によると、相談に乗ってもらっているコンサルタント会社がテープを持っていってしまったので手元にはないのだという。また、会社のほうでテープが捨てられた可能性もあるので公開できるかどうかもわからないという。なんと幼稚な言い訳なのだろう。

 まもなく落札決定か
 事態はより深刻になっているといえる。

 私は、入札前から議会で「計画はいったん中止し、一度仕切り直すべきだ」と主張してきた。これまでの経緯からみて、こうした入札になってしまうことが分かり切っていたからである。それは過去にも書いてきたとおりだ。

 折からの厳しい財政難。入札談合や高値落札を防止するためにも、ここ1〜2年ほど私はとくに入札改革を推進してきた。幸い、要望は実り、その多くは実現され始めたところだった。

 ところが、杉並公会堂の入札手続については、当初から、あたかも改革の「例外」「聖域」であるかのような準備手続をとっていた。区は入札改革を骨抜きにしていたのである。

 近く区はこのまま事業を進める決定をするつもりのようだ。今後、さらに問題を掘り下げていく予定である。
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