杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし

杉並区の入札契約問題
パシフィックコンサルタンツと杉並区
第二弾

PCI事件は対岸の火事ではない
 数々の不祥事が話題となった大手建設コンサルタント「パシフィック・コンサルタンツ」と杉並区との契約関係については、土曜議会で追及!パシフィックコンサルタンツと杉並区で既に説明していますが、今回は平成19年度決算(平成20年の決算審議)の模様から、その続編をお知らせします。
 この問題は、単にパシフィック・コンサルタンツとの随意契約が多いというだけの単純な問題ではありません。

 たとえば、杉並区は、当該企業が関与していた「緑資源機構」官製談合事件が大きな社会問題となり(
その過程では松岡利勝・元農相が自殺)、
公正取引委員会などが告発する中にあっても、不可解な経緯をたどりつつ
わざわざ
当該企業と新たな契約を締結しています(特命随意契約)。

 しかも、杉並区は、その重要部分について、
現在なお情報公開を拒んでいます

 また、自らが設定した指名停止期間中に、当該企業との契約関係を継続せざるをえない結果を招いたことについても、あまり深い問題意識を持っていないようです。

 この問題は、杉並区の入札・契約・行政処分に対する姿勢を考えるうえで、欠かすことのできないテーマと言えます。決算審査においては、発言制限時間が非常に厳しいため、詳細に踏み込んでいませんが、それでも課題の一端をお感じになることができることでしょう。

 なお、質疑持ち時間の関係から、パシフィックコンサルタンツについては「パシコン」、公正取引委員会については「公取」という略称で話を進めさせていただいています。あしからずご了承ください。


平成20年決算特別委員会−10月02日


 無所属の質疑に入ります。
 それでは堀部委員、質問項目をおっしゃってください。

◆堀部やすし 委員 
 大手建設コンサルタント、パシフィックコンサルタンツとの特命随意契約について。持ち時間が残れば、区の歳入について。

 パシコングループは、この五、六年の間にたびたび家宅捜索を受けるなど、入札談合や贈賄等について強い疑惑が持たれてきた企業グループとなっております。
 昨年は独禁法違反、さらにことしは詐欺罪等々に問われる役員が出るということで、相次いで逮捕、起訴されるに至っておりますけれども、パシコン自体は区の事業とも深くかかわってきている事業者ですので、これら一連の問題について区の感想を求めます。

◎経理課長
 私どもとしましても、そうした社会的な大きな意義を担っていく一業者さんでございますので、そうした社会の信頼を失うような大きな事件を起こしているということについては、大変遺憾に考えているところでございます。

◆堀部やすし 委員 
 このパシコングループとの契約状況について、過去10年、どういう感じのものがあるのか。

◎経理課長
 ちょっと10年という数字を持ち合わせてございませんけれども、5年ぐらいにさかのぼりまして、8件ほどの契約がございます。

◆堀部やすし 委員 
 多くが随意契約となっていますが、これは何ででしょう。

◎経理課長
 随意契約が幾つかございますが、例えばもとになった調査等があって、それの継続性があるもの、あるいは他の自治体等と共同でやるために随意契約をしたものなどなどがございます。

◆堀部やすし 委員 
 世に建設コンサルタントはたくさんあるわけですが、パシコンとの契約が非常に多いように思いますが、いかがですか。

◎経理課長
 私ども、区の中でいろいろなコンサルティングの契約というのはありますけれども、特段多いという認識はございませんけれども、大手の建設コンサルタントということで、私どもは理由があればそちらにお願いしているということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 緑資源機構発注の入札について、パシコンは公取の処分を受けました。区ではどんな処分をしましたか。

◎経理課長
 私ども、ことしの1月から3カ月の指名停止をしてございます。

◆堀部やすし 委員 
 他の自治体ではもっと随分厳しい処分をしているんですが、なぜ3カ月なのか。

◎ 経理課長
 具体的に申しますと、私どもの審査委員会の中で議論して、その期間等については決定していくわけでございますけれども、1つには、直接区の中での契約関係で犯したペナルティーではないということ、それから過去の期間等を参考にしながら3カ月と、そういうふうに決定したものでございます。

◆堀部やすし 委員 
 相当、過去からいろいろ疑惑のあった企業なんですが、やや甘いのではないかと思います。3カ月と決定した審査委員会のメンバーはだれですか。

◎経理課長
 これは副区長以下、部長級のメンバーが数名入ってございます。

◆堀部やすし 委員 
 部長級というのはだれですか。

◎経理課長
 ちょっと今資料を確認します。後ほどお答えします。

◎副区長(松沼)
 たしか政策経営部長、それから、だれだったっけ。(笑声)

◎経理課長
 すみません。土木部長等が入ってございます。

◆堀部やすし 委員 
 要するに所管の関係者ということですよね。

◎副区長(松沼)
 その事案の所管の関係者ではなくて、もうメンバーは決めております。それから、先ほどの処分基準でございますけれども、たしか何年か前に一度というか、改正をしまして、かなりきつく処分基準を決めて、それに基づいて厳密にやっているというふうに考えております。

◆堀部やすし 委員 
 よそでは1年ぐらいの停止にしているところや半年というようなところもあるので、ちょっと疑問に思った次第であります。

 先に行きますが、パシコンは最近また新たに杉並区と契約関係を持っておりますけれども、これについて説明してください。

◎経理課長
 その前に、先ほどの、すみません、メンバーがわかりました。副区長のほか政策経営部長、まちづくり担当部長、土木担当部長、教育委員会事務局次長ということでございます。

 それから最近のということでございますが、直近では19年度に、西武新宿線、井の頭線等の踏切対策の調査等でございます。

◆堀部やすし 委員 
 その委託事業の趣旨、目的は。

◎調整担当課長
 西武新宿線、井の頭線、京王線の踏切対策環境、それから鉄道連続立体交差に向けての課題を抽出することでございます。

◆堀部やすし 委員 
 その契約が特命随意契約となっている理由は。

◎調整担当課長
 連続立体交差事業や沿線まちづくり事業につきましては、特にここの場合は京王線がございましたので、近隣の世田谷区との間でまちづくりは一体ということもございますので、プラン等の検討、提案を世田谷区で行っているということが1つございました。
 それからパシフィックコンサルタンツにつきましては、都市型鉄道の調査研究も行っていることで、迅速、効果的な調査ができると考えております。

◆堀部やすし 委員 
 では、よそは全く迅速な調査はできないんだと。それはどういうところに根拠があるのか。

◎調整担当課長
 できるところもございますけれども、このときに世田谷区とやっていたということが大きなことでございます。

◆堀部やすし 委員 
 世田谷でやっているから杉並もだというのでは、パシコンの思うつぼというか、そんな気もしますけれども、いかがでしょう。

◎調整担当課長
 ご案内のように、京王線が世田谷区との区境を走っておりますものですから、世田谷区とまちづくりを一体に考えるということで、世田谷区のほうのまちのデータの蓄積が十分されていたということを主眼にしております。

◆堀部やすし 委員 
 これ、調査は西武線もあるわけだから、どうなんですかね。

 それで、調査委託の契約が8月17日付になっていますが、これ、理由は。

◎経理課長
 これは所管のほうから締結請求をいただいて、業者のほうと契約書を交わした日にちということでございます

◆堀部やすし 委員 
 当時、パシコンも関与していた緑資源機構の談合事件が相当世間を騒がせていましたけれども、こういうことは考慮事項にはならなかったのかどうか。

◎経理課長
 私ども、パシコンのいわゆるインターナショナルのほうですね、そういった動きがあるというような情報がございましたので、具体的に指名停止等の処分にはもちろんまだなっていなかったわけで、このように考えて契約を締結したところでございます。

◆堀部やすし 委員 
 インターナショナルはことしですね。
 去年はそうじゃない。インターナショナルはことしだから。パシコン自体は……。

◎経理課長
 失礼しました。確かにその当時はパシコンのほうでございました。

 私ども、主管課からの随契依頼等の理由を審査して、そうした理由があるということで、具体的には指名停止になっている業者ではないので、契約を交わしたということでございます。

◆ 堀部やすし 委員 
 東京地検が、これ、告発を受けて強制捜査したのは去年の5月なんですよね。
 その後、ご存じのとおり、松岡だとか赤城だとか、ああいう連中が捕まったというようなことがありまして、まさに話題になっていたそのさなかでこういう契約事業が進んでいるというのはどうなのかなと思いますが、いかがですか。

◎経理課長
 私ども、あくまで、例えば排除措置命令であるとか課徴金の納付命令であるとか、そういった措置が下された後に指名停止をかけておりますので、指名停止がかかっていない状況で契約を締結したということでございます。

◆ 堀部やすし 委員 
 本件契約については関連資料を情報公開請求しました。
 それを見ると、8月10日付で特命随契の決裁がとられておりまして、業者が指定されています。パシコンに対する契約依頼票は8月13日付になっています。
 パシコンから実際に見積書が提出されているのは8月16日付で、翌日には契約がもう成立している、こういう状況なんですが、こういう流れというのは一般的なことなんですか。

◎経理課長
 私どもからの申し入れに対して、相手方の意思を確定して契約を結ぶということで、こういった契約の流れになったものでございます。

◆堀部やすし 委員 
 物を買うときに、見積もりを受けずに契約依頼票を出したり業者指定するというのは、ちょっと私の感覚では考えられないんですが、いかがなんでしょう。

◎経理課長
 これは基本的には、主管部局のほうで当然そうした事前段階として見積もり等の業者とのやりとりがあって、経理課として正式にとったものがこの日だということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 公開請求は、そういった見積書も含めて請求をかけているんですが、そういう資料は出てきてないんですよね。
 主管課のほうでは、これは別に見積書を持っているということなんですか。そういう下見積もりがあるということですか。

◎調整担当課長
 主管課のほうでは電話等で聴取しております。

◆堀部やすし 委員 
 電話等で聴取をしていると。
 聴取だけして、具体的な見積書をとらずに指定してしまうというのはどうなんですかね。いかがですか。

○河津利恵子 委員長 
 どちらが答えますか。

◎ 経理課長
 基本的には、私どもは、一般的ではございますが、主管がいろいろな形で業者から見積もり等をとる、その中でその金額を私どもが聞き出しながら、経理課として予定価格を決めていくというような考えでございます。
 随契につきましても、私どもは基本的にはこのぐらいの価格でやるんだということで意思を固めて、正式な見積もりをとったわけでございますけれども、それで妥当な金額とみなして契約をしているということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 時間がないので先に行きますけれども、この調査自体は既に報告書も完成して、この7月から9月にかけては地縁団体などにも説明が行われておりますけれども、間違っていませんね。

◎調整担当課長
 調査は昨年度終了いたしまして、7月から町会等に説明を行っております。

◆堀部やすし 委員 
 そうであるにもかかわらず、この報告書が提出されるまでの会議ですね、パシコン関係者も参加して検討、調査の報告などをしておるような、そういった会議についての会議録がすべて非公開となっておりますが、これは何ででしょう。

◎調整担当課長
 この資料をつくるに当たりまして、検討するに当たりましての中で、他区の状況とか、それから鉄道連続立体等への意思形成過程の部分があるということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 それは何でですかね。意思形成過程と言いますが、報告書はもう既に出ているわけですよね。

◎調整担当課長
 調査を行いますのに、踏切環境調査、この調査に出ている部分のみではなくて、一番最後のほうにございますけれども、方向性等をやるときに、まだ他区の状況、東京都の状況等、意思形成過程の部分があるということでございます。

◆ 堀部やすし 委員 
 既に報告は完了して説明に入っている段階であるにもかかわらず、肝心かなめの情報は依然として区とパシコンの間に握られていて、我々区民や議会は全くわからないまま。
 私が請求した資料も、会議の参加者はわかるんですけれども、見事にすべて真っ黒というこういう情報が出てきて、こんなもののために250円も払っている私もどうかなと思うんですが、大変問題でありますので、引き続き10月8日あたりにやりたいと思いますので、よろしくお願いします。

○河津利恵子 委員長  以上で無所属の質疑は終了いたしました。
 ここで午後1時まで休憩いたします。




平成20年決算特別委員会−10月08日


 無所属の質疑に入ります。
 それでは堀部やすし委員、質問項目をおっしゃってください。

◆堀部やすし 委員 
 10月2日の続きで、大手建設コンサルタント、パシフィックコンサルタンツとの関係について伺います。

 パシコンについては、排除措置命令が出された後も関係者の逮捕、起訴が続いておりますので、引き続き質問します。
 過去10年にパシコンとの間の契約がいろいろあります。うち2件が杉並公会堂、残り6件は都市整備部関係であるはずですけれども、それらの内容を説明してください。

◎経理課長
 大体ご指摘のとおりでございますが、住宅に関する基礎調査委託の関係、それから荻窪駅の北口地区の広場に関係するもの、あるいは永福町の自由通路等に関係する基本構想等の委託、それから先日の西武新宿線ほかの踏切の環境調査委託というようなものでございます。

◆堀部やすし 委員 
 住宅マスタープランの改定が2件で、あと、今言った3件、あと1件あると思うんですが、何でしょう。

◎経理課長
 公会堂のPFIの関係で2件、それから宿泊施設等の経営委託事業、アドバイザリー事業の委託ということで1件ございます。

◆堀部やすし 委員 
 住宅マスタープランの改定についてですけれども、この改定はこの春にあったわけだと思うんですが、これで間違ってないのか。

◎住宅課長
 この3月ではございませんでして、その前の改定ですので、6年ほど前のときの調査ということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 じゃ、改定じゃなくて、策定のことですね。

◎住宅課長
 今回の改定の前の段階での住宅マスタープラン策定のときの調査ということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 これらについて公開請求をかけたんですが、一部公開と書かれておりまして、関係の会議録などはすべて真っ黒と、こういう状況なんですけれども、また、ほかの資料もほとんど出てこなかったんですが、これはどういった背景があるのか。

◎法規担当課長
 9月8日の可否決定のうち、今委員指摘の部分については、公開できないこと、一部非公開がございましたけれども、これは条例6条1項5号、意思形成過程情報に該当するためということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 それ以外もありますよね。

◎法規担当課長
 失礼しました。今申し上げたものは西武新宿線、いわゆる踏切関係のものでございますが、2点目の永福町自由通路につきましては、個人情報、それから設計単価でございまして、行政執行情報、以上でございます。

◆堀部やすし 委員 
 あと、ほかは。

◎法規担当課長
 大変失礼しました。西武新宿線、京王井の頭線における踏切につきましては、そのほか、支払い口座振替依頼書の振り込み金融機関等で事業活動情報のほか、代理店の主任技術者届に添付されている経歴書の住所等でございまして、個人情報でございます。

◆堀部やすし 委員 
 いや、だから、それもそうなんだけど、ほかのものはどうなっているんですか。その2つは大体わかったんですが。

◎法規担当課長
 マスタープランのことでございましょうか。

◆堀部やすし 委員 
 まあ、それだけじゃないけど。

◎法規担当課長
 この部分、ちょっと今私、可否決定通知書を見まして、特定した文書3件につきまして、以上のような非公開事由が記載してございまして、そのほかについては、非公開等々についてのものでしたら別途あると思いますけれども、ないものもありましたので。

◆堀部やすし 委員 
 それで、区の取り扱いとして、一部公開と非公開というのがあるんですが、不存在というのは、どういう扱いで通知しているのか。

◎法規担当課長
 いずれにしても、公開しないものの一部でございますけれども、文書の保存期限が満了している場合は、ございませんので、ないということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 だけども、例えば情報公開・個人情報審査会のいろいろな決定を見ていると、区の決定として、文書不存在というような用語が出てくるんですよね。これとの整合性はどうなのか。

◎ 法規担当課長
 審査会の中で出てきているからといって、それが非公開の理由にはならないということだと思いますけれども、どんなことで審査会のところで出てきたものでございましょうか。
 それはちょっと違いますけれども、審査会の中の記述で出てきたから非公開事由にならないということではないかと思うのですけれども。

◆堀部やすし 委員 
 例えば、ちょっと今の話とはずれますけど、平成15年で言うと、特定の職員が外部の個人と交わしたメールの本文、区決定文書不存在なんていうような決定があるんですが、内部では文書不存在と決定しながら、外部にはそういう通知はしないという運用は、どうしてそうなっているんですかね。
 例えば今の例なんかで言うとどうなんですかね。

◎法規担当課長
 運用と申しますと、情報公開の運用でございますか。

◆堀部やすし 委員 
 そう。だから、不存在なら、本来は不存在と通知しないと正確な通知にはなりませんよね、文書がないんだから。そうでしょう。非公開にするということと、文書がないということとは本来的には一緒じゃないですよね。

◎法規担当課長
 ですから、別件については、委員の部分の情報公開請求については、不存在という通知を……

◆堀部やすし 委員 
 不存在なんて書いてない。
 一部公開しますとしか書いてないから、文書があるのか、ないのかも全くわからないわけですよ。

○河津利恵子 委員長 
 堀部委員、立って詳しく内容をおっしゃっていただけますか、もし資料をお持ちなら。

◆堀部やすし 委員 
 いや、それ以上のものではなくて、一部公開しますとか非公開ですという通知からは、その文書が存在するかしないかということが受け手には全くわからないんですよね。
 この辺の運用については、どうしてこういうことになっているのか。

◎法規担当課長
 すみません、通知の文書で不適当なところがあったら改善いたしたいと思います。

◆ 堀部やすし 委員 
 いや、だから、不適当じゃないんだよ。そういう運用をずっとしているわけだよね、条例上も。
 つまり、今回もこうやって黒塗りのがあったりするわけだけど、一部公開というのは、文書があって非公開というのと、そもそも文書がないんだというのと区別がつかないわけですよね、受け手にとったら。だけども、情報公開・個人情報審査会に行くと、明確に文書が不存在だというようなことは話し合われているわけですよ。
 だから、その文書があるかないかは、一々審査会に訴え出ていかないと我々は何とも判断できないと、こういうことなんですかね。

◎ 法規担当課長
 個別にはご説明申し上げているかと思うんですけれども、条例の規定にでございますけれども、第10条の2項でございますが、「公開請求に係る情報の全部を公開しないとき」の中に、存否応答拒否、いわゆるあるかないかをご案内しないことのほか、「公開請求に係る情報を管理していないときを含む。」、ない場合でも、「公開しないとき」というふうに記載がございますので、公開しないということになります。
 ただ、今委員おっしゃっているとおり、説明不足な部分につきましては、通常ですと、私は、窓口のところでそういったご案内を差し上げているかと思っていたんですけれども、ない場合については、いわゆる非公開決定通知の部分について、そういうことがわかるようにしていきたいと思います。

◆堀部やすし 委員 
 この点は非常に重要ですから、お願いいたします。
 話題が少しずれてしまったので、パシコンの件に戻しますけれども、パシコンの踏切対策調査について、調査の目的を示してください。

◎調整担当課長
 西武新宿線、京王井の頭線、京王線における重点踏切の現況についての調査を行うことと、その3線について、鉄道連続立体交差化とか駅周辺のまちづくりについて調査検討するということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 具体的な委託内容は。

◎調整担当課長
 沿線地域の位置づけとか沿線地域の現況等を調査いたしまして、その次に、踏切の現状について調査、把握をする、そういうことで、その次に、沿線まちづくりとか連続立体化への課題等の方向性を出すということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 で、調査の結果、結論は。

◎ 調整担当課長
 まず、踏切の遮断時間や交通遮断量が大きかったこと、それから、沿線地域の道路網の整備状況とかバス等交通の結節点等の課題とか、防災の危険度とか、商店街等が地域分断がされているという現状を把握しました。
 それから、踏切対策の必要性、それに伴って道路、鉄道立体化の課題等があるということが判明いたしました。

◆堀部やすし 委員 
 それほど特殊な内容ではないと思うんですよね。
 大体、区民の皆さんもおおよそそういう課題があることは認識されているわけですけれども、そうであるにもかかわらず、会議録が全部真っ黒で全くわからないというのは一体どういうことなのか。

◎ 法規担当課長
 そのときにもご通知申し上げたんですけれども、非公開事由でございますけれども、専門部会、作業部会、各会の議事録及び配付資料には、過程を含めた複数の検討内容が記載されており、内容が個別の情報であるため、これらを公開することは、区民に混乱を生じさせるおそれがあるため、条例6条1項5号、いわゆる意思形成過程情報に該当するため、公開を見合わせたものでございます。

◆ 堀部やすし 委員 
 これは既に調査が完了しています。報告書も出ています。地域にも説明が行われています。
 そういう事情があるというような説明はあり得るかもしれませんが、例えば区とパシコンの関係者でやった現場見学会の概要とか、こういったものすら明らかにできないというのはどういうことなんでしょう。

◎法規担当課長
 議事録は全体として、今申し上げたように連続立体化まちづくりに関する会議のものであり、今回の調査による報告を受けたとしても、全体として成果物はいただいておるんですけれども、本調査作成のためだけの会議ではございませんので、本調査の納品等々と公開したこととは直接結びつかずに、先ほど申し上げた状況がまだ続いてございますので、非公開といたしたものでございます。

◆堀部やすし 委員 
 現場見学会の話を聞いているんですよ。会議録の話じゃないですよ。

◎調整担当課長
 現場につきましては、どの現場を見たかということがございますと、鉄道連立についてこれからどういう方向性になるかということがまだ全く決まってない段階もございますので、無用な混乱を起こすということがあると考えております。

◆ 堀部やすし 委員 
 いや、区内の幾つかある中で32の踏切が重点箇所だということは、都からもはっきり明確にされているわけですよね。
 たまたま見に行った場所がどこかというのはあるかもしれませんけれども、それはもう32カ所は明確になっているんだから、その説明はちょっと納得できませんね。

◎調整担当課長
 失礼しました。現場見学は区内だけではございません。区外も見ております。

◆堀部やすし 委員 
 これは東京都からしっかり方針が出ているわけだから、区外だからどうだという問題じゃないですよね。区外だったら別に区民は関係ないんだから、余計いいわけだし。それで、調査の過程でどこに見学に行ったかというのを公開できないというのはちょっと困るんですよね。
 議員だって今、視察先を明らかにせず政務調査費を使っちゃったらえらいことになるわけですよ。これと同じですよ。

◎調整担当課長
 見学会のところの議事録でございますけれども、見学場所もありますが、もう1つ、他の自治体と意見交換を行っておりまして、ここに他の自治体の意思形成過程にある意見を意見交換しております。

◆堀部やすし 委員 
 だから、見学に行った場所も公開できない理由は何なんですか。話し合っている内容の話を言っているんじゃないですよ。

◎ 調整担当課長
 見学をした場所につきましては、今後の鉄道連続立体等を考えるに当たりまして、どういう方式があるかというようなことを見ておりますので、こういう方式とか、決まったものはまだ全くございませんので、場所については、ちょっとお伝えしないほうがいいかなということでございます。

◆堀部やすし 委員 
 そんなことじゃ困りますよ。我々だって、いろんな立体化の現実を見て研究を深めなくちゃいかんわけですよ。全く納得できません。改めて答弁を求めます。

◎法規担当課長
 ただいま調整担当課長から申し上げた意思形成過程情報でございまして、無用な混乱が想定されましたので、非公開とさせていただきました。

◆堀部やすし 委員 
 そういう説明を議員が視察に行ってやったらえらいことになっちゃうわけですよね。事の重大さがわかってないですよね。
 じゃあ聞きますが、その会議録や、現場見学会に行ったということはいつ公開されるのか。

◎調整担当課長
 鉄道連立に関する都市計画決定がされたときと考えております。

◆堀部やすし 委員 
 そんなこと言ったら、文書の保存年限が過ぎちゃうということがあるんじゃないですか。

◎調整担当課長
 あり得ると考えております。

◆堀部やすし 委員 
 だから問題なんですよ。そういうことじゃ困りますが、こういう記録については保存年限を確実に延ばさなくちゃいかんと思いますが、法規担当課長、いかがお考えでしょう。

◎ 法規担当課長
 保存年限は保存年限でございまして、今言ったような部分につきましては、通常、保存年限のほかに、その用途が終わったときから保存年限というのは数えますので、今調整担当が申しましたけれども、一概に全部廃棄するという手続にはならないかとも考えられます。

◎総務課長
 保存年限でございますけれども、継続案件につきましては、廃棄の起算にまだ入りませんので、そのまま継続しているということでございます。

◆ 堀部やすし 委員 
 そうは言いますが、これ、調査委託はもう既に完了しちゃっているわけですよね。お金も払っているわけで、いかようにもこれ、説明がついちゃうんじゃないですか。仮に廃棄したとしても特に違法性はないという説明ができちゃいますよね。
 仮に廃棄した場合に、何か条例や法律に抵触するということはあるんですか。

◎法規担当課長
 廃棄というのは、仮というのはないので。廃棄してなくなった場合は実質的な廃棄ですから、仮に廃棄ということはちょっと想定ができないんですけれども。

◆堀部やすし 委員 
 いや、そんなことを聞いているんじゃないでしょう。
 仮にそういうことで廃棄したとしても、委託契約自体が終了しているんだから、終了して保存年限が過ぎちゃって廃棄したとして、何か特別、法律や条例にひっかかって処罰されることはあるんですか。

◎ 法規担当課長
 今申し上げたとおり、この部分につきましては、先ほど申し上げた納品された部分は保存年限は満了しているかとも思うんですけれども、その前の意思形成過程情報の部分につきましては、いわゆるその文書の目的がまだ達成されておりませんので、まだそれは保存が継続するというふうに考えられます。

◆堀部やすし 委員 
 さて、なかなか興味深い答弁が返ってきましたが、そうすると、パシコンとの関係は今後も続くということですか。

◎調整担当課長
 受託者とは関係ないことだと考えております。

◆堀部やすし 委員 
 いや、コンサルタントがくっついていって、いろいろなアドバイスを受けているはずなんですよ。関係ないということはないですよ。

◎調整担当課長
 今回の調査委託につきましては、受託者でございますけれども、以後の意思決定とか以後の区の事業につきましては、この受託者とは関係ないというふうになると考えております。

◆堀部やすし 委員 
 それは、例えば指名入札から排除するという意味なのか、それとも特命随契ではやらないと、そういう意味なのか。

◎調整担当課長
 今後の契約のことではなくて、この契約に引き続きというようなことはないということでございます。

◆ 堀部やすし 委員 
 報告書を見ると、随分今後の検討課題がたくさんあって、先日の説明によると、世田谷区あたりとの関係もあるから、どうしてもパシコンと特命随契にしなきゃいけないというふうに説明していたことを考えると、今後の踏切対策についてもパシコンが深く関与してくる可能性というのが強く感じられるわけですが、この点はないと考えていいのかどうか。

◎副区長(松沼)
 委託先のことにつきましては、それぞれ個別に対応していく、個別に検討していかざるを得ないと思っております。
 それから、先ほどの情報公開請求でございますけれども、公開請求ということで、そこは確かに委員がいろいろおっしゃった点につきましては、もう一度精査しまして、場合によっては、所定の手続を経る場合もあるかも……

◆堀部やすし 委員 
 所定の手続って。

◎副区長(松沼)
 修正あるいは取り消しとか、いろいろあるかと思いますが、それは条例に即した手続が必要な場合もあるかもしれません。いずれにしても、内容につきましては十分吟味していきたいと思っております。

○河津利恵子 委員長  以上で無所属の質疑は終了いたしました。

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