杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 No.11


えっ、コピー・手数料が、40万円!?



 待ちに待った情報開示


 さて、今週は、久しぶりに銀座へ行く用がありました。世間では不景気だと言っていますが、さすがは銀座です。夏のバーゲンと重なったからなんでしょうか、購買意欲の旺盛な多くの人たちでごった返していました。世の中には、不景気に影響されていない人たちもいる、ということなんでしょうね。

 といっても、かくいう私は、そんな「銀ぶら」できるほど優雅な身分でもなく、調査活動の一環として、ただ築40年近いビルの一室(東京都商工指導所)に用があって出かけただけなのでした。かれこれ、もう一ヶ月近く前に情報公開請求した資料の閲覧に行って来たのです(都と区が実施した調査にかかった経費について調査するため)。

 行ってみると、商工指導所のお偉いサンが2人も出てきて、私のお相手をしてくださいました。 「いったいなんなんだ?・・・そんなにヒマなところなのか???」と私じゃなくとも、思ってしまうことでしょう。それとも、お偉いサンが2人がかりで応対するということは、さぞ立派な資料がでてくるのかも・・・?

 ところが、そんな仰々しいお迎えがあったものの、出てきた資料じたいは、わずか30枚程度。しかも、資料は原本ですらなく、あちらこちらが黒塗りになっているコピー資料でした(非公開と決定された部分については、黒く塗られているのです)。


 ベラボーな手数料


 ところで、この資料の閲覧手数料とコピー代は、なんと2,525円。「なんで、たがだか30枚程度のコピー代が2,525円もするの?」・・・お偉いサン2人を40〜50分拘束した人件費かな・・・?そんなわけありませんよね(笑)。

 この2,525円という数字は、公開内容一件につき閲覧手数料が200円とか、コピー代がA4サイズ1枚が25円という具合に、東京都の規定そのものが、とにかく、とんでもない高額に設定されているのが原因なのです。しかも、「公開内容1件につき200円」といいますが、それも、そうは問屋が卸しません。私が今回請求した案件は1件だけのはずでしたが、出てきた資料を細かく分けると7種類にも及んでいると判断されてしまったのでした。夏のバーゲンは、お役所には関係なかったようです(笑)。

 それでも、手数料は安くなったといいます。昔は、コピー代が一枚200円というような時代もあって、情報公開で求めた文書のコピー代が一回で40万円になってしまったという例もあったそうです。

 要するに、おいそれと民間人に情報はみせない、ということなのでしょう。今でも、情報公開請求した結果、文書が何千枚も出てくるようなことがあったら、何十万円という金額を請求されてしまうような状況は変わりませんが、役所というのは、すごいところですよね。

 こうした状況は、来年1月にほんの少しだけ改善される(手数料が安くなる)予定ですが、それでも実費程度で情報が見られるというわけにはいかないようです。都の資料は、役人の専有物ではなく、都民全員の資料のはずなのですが・・・


  資料がすぐ出てこない!!


 さて、情報公開が実現するまで時間がかかるというのも、問題です。役所仕事というのは、民間と比べてスピードが遅い!と言われるわけですが、区の場合も、情報公開請求をしてみて、改めてそれを実感しています。ドッグ・イヤーを痛感する今日この頃なのですが、役所には、役所の時の流れがあるのかもしれません。先日、区にも情報公開請求したのですが・・・どうして、あの程度の情報の公開を決定するのに、まるまる2週間もかかるのか、本当に不思議に思っています。

 杉並区情報公開条例・第9条の規定では、区は情報公開請求を受理した日の翌日から起算して14日以内に情報を公開するか否か決定し、その旨を速やかに当該情報の公開の請求をしたものに通知しなければならないことになっています。ところが、私が請求した事例では、役所から情報を公開するという連絡が入ったのは、それ以後のことでした。なんでも役人の説明では、14日以内に役所が行うべきことは、情報を公開するか否かを決定するだけで、請求者への報告はそれ以降になっても構わないのだというのです。

 たしかに、条例では、「その旨を速やかに当該情報の公開の請求をしたものに通知しなければならない」とだけしか書いてありませんから、請求から15日目以降に報告したとしても、速やかに通知したんだ、と役人が言い張れば、なんでも速やかにしたことになるのでしょう。

 しかし、これはおかしな論理です。たとえば、住民監査請求の場合、監査委員は、請求のあった日から60日以内に監査を終了することになっていますが、その勧告もこの期間内に行わなければならないということになっています。それが、一般的に見て、良識的な判断というものでしょう。

 ここでも言えることは、要するに、役人は、本音では情報開示なんかしたくない、ということなのかもしれません。 いずれにしても、この話は、来週その後日談を書くとしましょう。

 
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