杉並区議会議員(無所属)堀部やすし最前線



金融商品取引法は誕生したが、
   地方債は開示免除証券のまま
将来負担を抑えるために、
     いまこそ規律ある財政の実現を
 

●地方債は、いまだに開示免除証券

 「夕張ショック」を受け、平成19年(2007年)6月、地方財政健全化法(新法)が成立しました。新法によって、自治体の財政再建が進むと言われています。

 しかし、地方債は、依然として、開示免除証券のままなのであり(金融商品取引法)、高度の情報開示義務を負っているかといえば、必ずしもそうとは言えません。対策はまだまだ不十分です。

 国家財政の危機や自治体財政の破綻・窮乏が注目を集める中、国債・地方債を敢えて開示免除証券のままにしたのは、なぜでしょうか。

 これは「財政の現状を包み隠さず開示する気がない」という本音の裏返しなのかもしれません。

 杉並区においては、法を上回る厳格な基準で取り組みを進めることが必要です。


●将来負担を抑えるためには、一定割合の基金積立は必要

 杉並区においては、独自の財政基本条例を制定することによって、さらに厳しい公表義務や目標を設定し、新法を補強していくことが不可欠と考えています。

 これからは、地方自治体の決算においても、民間同様、「連結」による実態把握から目を背けてはなりません。また、あたかも地方債(区債残高)だけが自治体の債務であるかのように財政状況を説明することもやめるべきでしょう。

 たとえば、区の清掃事業の一部を担っている「清掃一部事務組合」が抱えている負債、外郭団体である土地開発公社が土地を購入した場合の負債、区の債務負担行為(杉並公会堂PFI事業など)の残高等についても、同じように最終的には区が負担するもの(区債残高に表れない区の債務)として、しっかり認識すべきなのです。


●目前に迫っている社会資本の老朽化にどう対応するか

 また、今後、高度成長期に大量に建設した各施設等が、いっせいに更新期を迎えることも、忘れてはなりません。

 たとえば、必要に迫られる大量の学校改築。

 残念ながら、今後、老朽化した学校すべてを改築し、それを維持できるだけの財政余力はないというべきです。

 もはやドラスティックな学校統合は避けられませんが、それでも、統廃合を抑制し、今後もその多くを改築したいというのであれば、今から計画的に蓄え(基金の積み増し)をし、相応の準備をしていかなければなりません。

 区のストックに見合った財政余力が、将来も確保できると言えるのか、財政負担の重みをふまえ、判断することが必要と考えています。


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