杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線2000 7月B No.59

 杉並公会堂の基本設計 改築費用は95億円(見込)
 
現在公表中

 
  すでにお伝えしている杉並公会堂の改築計画(1999年12月第4週報告)。今年度の建設は見送られていますが、あいかわらず平成15年度までの長期計画のなかに、計画は残ったままになっています。すでに基本設計がまとまり、現在、一般にも公表されています(7/28までの間、区に出向く場合、簡単にこれを閲覧することができます)。今回は、その概要と堀部の考え方をお伝えします。

 基本設計の完成にあたっては、議会で指摘されたいくつかの点(席数や駐車駐輪場など)について、かなり努力されてはいるのですが、私としては、基本的な点で疑問をもっており、なかなか改築の必要性は認めにくいと判断しているところです。アートガーデン(以下参照)といった発想など、お金の余裕さえあれば、とても素晴らしい構想だとは思うのですが、今後の財政見通しを無視して建設を進めることには慎重にならざるを得ません。


 堀部が考える残された問題点

 残された問題として、私が疑問視しているものには、次のようなものが挙げられます。

@ その規模や内容から、現在よりも高くなることが確実な維持管理費をどうみるか?(なお、現在は年間1億6000万円強。費用対効果・財政への影響を考えるべき)
A ハナから区の外郭団体に運営委託する方針であるというが、それでよいのか? 運営についても民間との競争入札を行うべきではないのか?
B 電車ですぐのところにある中野サンプラザや中野ZEROホール、武蔵野公会堂などなど、果たしてこの周辺地域に、こんなにたくさんものホールが、本当に必要なのか
C 改築費用は95億円(見込)。もちろん区債の発行(借金!)に頼ることになるが、これは区の単独事業であり、補助金はいっさい見込めない。これ以上、将来に負担を増やしてよいものか


 私は、以上のどれも、非常に疑問をもっており、改めて杉並公会堂は廃止し、跡地を有効活用すべきと主張したいと考えています。一区に一つずつホールがないと困るという発想を21世紀に持ち込むのは、本当にやめていただきたいと思います。今日の国全体の財政難が、そんな発想の延長にあるということを肝に銘じるべきです。6月で区民生活委員会からは離れましたが、今後もこの問題は注視していきたいと思います。

 なお、設計図は省略しますが、7月28日まで、一般区民を対象に、これが公開されています。また、私も保有していますので、ご興味のある方は、お問い合わせください。


 杉並公会堂改築に伴う基本設計について

建設予定地 杉並区上荻一丁目23番15号
 (JR&地下鉄・荻窪駅徒歩5分。現・公会堂敷地) 
●建築面積2,392.5u  
●地上4階地下3階(延べ面積9,943.2u)
●総工費 約95億円(見込)

@大ホール
・音楽を中心に式典、集会等の演目に対応できるホール
・特にオーケストラ演奏に適した音響特性を確保したホール
・席数 1,185席(舞台拡張時は1,115席)
        車椅子席(常設4席・仮設9席) 親子室1室(4人程度収容)
・舞台 間口21m  奥行9.95m(拡張時11.85m)
・楽屋 8室(総面積180u)

A小ホール
・音楽発表会、演劇、小集会など多様な催し物が可能なホール
・席数 191席 車椅子席(常設4席)
・舞台 間口10.5m 奥行6.0m
・楽屋 3室(総面積63u) 

B練習室 7室(総面積 461u)
・新たな文化発信の拠点にふさわしい練習・創作活動支援機能を確保

Cアートガーデン
・日常的な文化・芸術とのふれあい、区民の交流の場を提供するもので、ホール利用者以外も自由にはいることができるスペース。ステージ、カフェテラス、チケットセンター、交流室、打ち合わせコーナー、練習室3室など設置。


D管理部門
・事務室 約270u(事務室・交流室・会議室・中央管理室等)
・駐車場 搬入車両用2台、出演者・来客用33台(機械式地下駐車場)
・駐輪場 約200台(地下1階)
・公衆トイレ 1階ピロティ部分に設置
・防火水槽 水槽約100トン

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