杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 No.46



今年の教育&子育てサポートの動き 

ファミリー・サポート・センターや教育を考える懇談会


 予算から今年の教育や子育てサポートの新しい動きをみてきます。私は、とくに、学区制の見直し(学校選択自由化の検討)や、新たに設置された「ファミリー・サポート・センター」の今後の広まりに期待しているところです。


●「ファミリー・サポート・センター」の開設
 子育て援助が必要な区民(利用会員)と、その手助けができる区民(協力会員)がセンターに会員登録。アドバイザーが会員間の仲介・調整を図り、子育てをサポートしていく新規事業。ただし、長期間にわたる反復継続的な援助は対象外。22時から6時の間も扱わないこと、家事援助なども含まれないことなども定められている。

 3月よりスタートしました(社会福祉協議会に委託)。これは労働省の助成が活用できるため、各地で取り組みがすすめられてきましたが、杉並でもやっとスタートすることになりました。

 残業などで保育園に迎えに行く時間がどうしても遅くなってしまう日など、隣人のちょっとした手助けが大きなサポートにつながる場合があるもの。トラブル対応への事前配慮も図られており、こうした「隙間」を埋めるものとして、今後に大いに期待したいと思います。

 ただ、心配なのは、やはり「目に見えないトラブル」。利用会員のお子さんは、まだ幼いことが多いわけですから、知らないうちに心にダメージを受けていたということもないとはいえないハズ。協力会員は、入会後にセンター主催の講習会を修了したうえで活動を開始するとはいいますが・・・

 実は、私はかねてより、もう一歩進んだ制度で、子育てを終えたシルバー世代の方々による「シルバー・シッター(準・家庭福祉員)制度」の創設を願っていました。というのも、短時間とはいえ、やはり協力会員も、子育ての一翼を担うことには間違いありませんから、熟年世代で子育てに関する知識・経験の豊富な方に、ちゃんと位置づけもしっかりさせたうえで、ご活躍いただきたい!と思っていたわけです。いい意味での異世代交流にもなればと思うのですが・・・

 まずはともあれ、スタートしたばかりのこの制度。比較的良心的な利用料で仲立ちをしてくれることもあって、周知されるに従って利用者は増えていくことでしょう。課題は、協力会員の拡大でしょうか? 可能な方は、ぜひ協力会員になってみてはいかがでしょう? ファミリー・サポート・センター(杉並区社会福祉協議会内)の電話は03-5306-7177です。

●少子化対策臨時特例交付金の活用
 駅前保育園の整備(1ヶ所)、高円寺南保育園耐震補強等工事、区立保育園備品購入、私立保育園・幼稚園への助成などに1億7400万円を活用

 この特例交付金は、昨年、国が交付したもので、平成13年度まで活用できます。これも財源は赤字国債です(ホント、今後どうするんでしょう?)。なお、駅前保育園の整備については、昨年度計画があったものですが、なかなか適切な場所がみつからず、今年度に繰り越されたものです。

 利用するのに便利な駅前保育園は、どんどん整備してもらいたいという意見の一方で、車も人通りも多く、のびのびできない駅前保育園は教育上よくないという意見も根強く・・・「駅前より近所の保育園を充実させてほしい」という意見も強いようです。たしかに、杉並のような都会では、用地確保の難しさから、駅前型保育園で園庭まで整備することはできないわけで・・・難しい問題ですが、親にとって利用しやすい保育園が、子どもにとっても良い保育園になるとは限らないのは、その通りかと思います。

 ただ、ニーズが高いこともあり、できれば、駅前保育のデメリットに配慮しつつ、上手に整備できれば・・・と思います。もっとも、ハナから行政が全駅に駅前保育園を整備できるわけではないでしょうし、機会の均等が保障できないことを考えると、不公平だ!早くうちの駅にも!との声があがらないとも限りませんね。そのあたり、ちょっと短期的には気がかりな点だったりします。


●「杉並の教育を考える懇談会」の設置
 区民にとってより良い教育を目指して、広く有識者等の意見を聞く懇談会を開催。検討課題は、開かれた学校運営についてや、学区制の問題(学校選択の自由化)についてなどが想定されています。

 区長は、選挙の際、学区制の自由化を公約に掲げていたこともあり、こうした問題を検討する懇談会を新たに設置することとなりました。学校給食の民間委託の検討とあわせて、いま、区の教育委員会を揺さぶる問題の一つになっています。これを踏まえて、来年3月までに提言を受ける予定になっています(場合によっては、延長もありうるようです)。

 なお、本来、教育行政は、教育委員会の専管事項のハズなのですが、教育委員会では、こうした議論が低調だったことが明らかになっています。区長がこれにしびれを切らしたということなのでしょうが、有識者よりも、むしろ私は当事者になる子どもにこそ、意見表明の機会を保障してもらいたいと思っているところです(もっとも親も含めてですが。配慮されるとのことですが)。なお、23区内では、すでに品川区で自由化がスタートしています。

 (4月末追加)
 なお、懇談会の委員は、学識経験者6名、教育関係者5名の合計11名となっています。第一回は4月28日に開催され、以降5月23日、6月13日に予定されています(18:30〜傍聴可)。なお、委員のみなさん方は、次の通りです。
 会長  小林 登 東大名誉教授 国立小児病院名誉院長
 副会長 石川 好 作家
     森田勇造 青少年交友協会理事長
     薩日内信一 宝仙学園小学校校長 元中央教育審議会委員 元杉並区指導室長
     大束百合子 杉並区文化・交流協会理事長 元津田塾大学長
     松丸啓子 高千穂商科大学助教授(教育哲学)
     平林俊彦 小学校校長会会長(桃井第3小学校)
     長谷川貢一 中学校校長会会長(阿佐ヶ谷中学校)
     林 俊雄 日大二中校長
     高瀬篤子 小学校PTA連合協議会会長
     高橋 薫 中学校PTA協議会会長


●学校インターネットの増設
 新規6校。平成12年度6校に導入済みであり、合計12校に。なお、今年はこのほか各校のパソコンが新型機種に更新されます。

 杉並区には、区立小学校が44校、区立中学校が22校あります。このご時世に、ほとんどの学校でインターネットが活用されていない現実に驚かれるかもしれませんが、これが杉並区の現状です。小渕前首相時代に、全学校にインターネットを接続する方針が出ていましたが、このままでは実現はいつになるやら・・・いったいどうするのでしょうか?

 デジタル・デバイドは深刻化する一方であり、これが将来の「貧富の差」の固定につながりかねないとの懸念も指摘されている昨今。行政も、いつまでも「結果の平等」ばかり追いかけず、むしろ「機会の平等」こそ優先して保障するべきだと思うのですが。


このほか、過去に報告したものも含めてて、そのほか次のような動きもあります。

●学校開放によるパソコン教室の実施
 地域のボランティアを活用し、学校でパソコン教室を開催する。条件の整ったところからスタートさせるが、詳細な内容については、まだ検討中。

●食器の強化磁器食器への買い換え
 環境ホルモンへの懸念から、小中5校で買い換えを実施。

●(仮称)サイエンス杉並賞
 中高生を対象にしたサイエンス・コンペを実施。

●私立幼稚園等就園奨励
 満3歳到達時入園児の補助対象化。

●学童クラブ運営時間の延長
 午後6時まで延長。



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