杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 No.42




「杉並病」解決に向けて集中審議


 いよいよ4月1日より、清掃事業が、東京都から23区の仕事に変わります。みなさんおなじみの清掃車も、東京都のイチョウのマークから、23区マークに変わります(これこそ、無駄な経費という批判もありますが・・・)。

 これに伴って、東京都清掃局の不燃ごみ圧縮中継施設「杉並中継所」も、区有財産となります。最近、全国どこに行っても聴かれる「杉並病」という名称が、ますます杉並区に重くのしかかってくるまで、あとわずかとなりました。


 都が認めなければ、向こう20年 杉並中継所が残るかも
 今回の定例会では、議案第40号(負担付き譲与の受領について)として、次のような内容が明記された議案が出てきています。

 杉並中継所の譲与に係る負担
1. ゴミ・し尿収集運搬施設用として、土地及び建物については20年間、工作物については4年間の用途指定
2. 用途変更又は廃止をする場合には、東京都の承認
   以上の義務を履行しないときは、東京都は譲与契約を解除することができる。

 いわゆる「杉並病」の原因施設として疑われている杉並中継所については、短中期的な用途変更や廃止を行う場合、東京都の許可がいるというわけです。もちろん、これまでの経緯からいっても、おそらく都は、よほど重大な証拠が出てこない限り、そう簡単には中継所廃止を認めることはないでしょう・・・
 中継所を止める壁の多さ・・・ ゴミの減量は、区民全員に課せられた課題

 もちろん、用途指定の変更さえしなければ、中継所を一時的に操業停止して原因究明調査を行ったり、ゴミの圧縮作業をやめるなど、杉並区の独自性を発揮することはできるかもしれません。しかし、かりに一時操業中止して調査を行うことや、ゴミの圧縮過程を中止するとなれば、最終処分場の存在する江東区などとの交渉が必要になります。「さぁ、困った!」というのが、杉並区の本音と言えます。

 まもなく、今月の下旬には、都の調査委員会の報告が発表されることになっています。ただ、これまでの調査手法に対する問題点が指摘されているように、調査委員会の報告は、おそらく一面的なものになるのではないかと予想されています。しかし、杉並中継所ができてから急に症状の悪くなった方は現実に存在しており、現在もその余波が消えていない(実際に苦しんでいる方がいる)以上、中継所をこのままのやり方で稼働させ続けることは、好ましいこととは言えません。化学物質過敏症にしろ、中毒症状にしろ、一度発症すると、ごく微量の有毒物質が発生するだけでも症状が出ると言われているのですから・・・


 予算案をみてみると

 さて、新年度予算のなかでは、いわゆる「杉並病」対策と判断できるものとして、次のようなものに予算が計上されています。多岐に渡っていますが、問題はその質。これまでの東京都のように、お茶を濁したような対応に留まらないようチェックしていかなければ、と思います。経過などについては、またホームページ上でもお伝えしていきます。


●不燃ごみ組成調査
・杉並中継所に搬入されるゴミには、どのようなものがあり、また、それらがどのような構成になっているのか組成調査を実施。
●杉並中継所・環境調査
・これまで都が行ってきた杉並中継所の環境調査は、今後、区が実施する(年2回)。
(堀部やすしコメント)
 これまで都が実施した調査では、濃度を測っていない有害物質がさまざま存在するなど、問題がありました。しかも、その調査結果についても、調査委託先から測定された生データを受け取ることなく委託料を支払っていたため、生データが保管されておらず、情報公開されないといった問題が発生してきました。この件については、別途、都に監査請求していますが、今後、区が実施するにあたっては、調査手法やデータ管理等々、疑念を抱かれないよう、求めています。

 なお、不燃ゴミの組成調査については、「緊急地域雇用対策」という名目で、臨時に国の補助金を使って行う事業です(ということは、今後、継続して行うものではないと思われます)。

●特定家庭廃棄物モデル回収
・これまで不燃ゴミの回収日に、そのまま出されて放置されてきた乾電池・体温計・殺虫剤・医薬品等を月1回程度のサイクルで回収
(堀部やすしコメント)
 中継所に搬入される不燃ゴミの質を変えることを念頭においたもの。ペットボトルやトレーの回収と同様に、店頭回収で徹底していく方針のようです。ただ、これも、予算上は、「緊急地域雇用対策」という名目で計上されています。このままの形で継続するなら、国の補助金が使えなくなる再来年以降は、区の一般財源を使って継続するということになるでしょう。

●健康不調者受診助成
・健康不調の相談者のうち、専門医療機関への受診を勧奨するため初診料を助成。
(堀部やすしコメント)
 あくまで初診料の自己負担分だけです。それ以降は一切、助成対象になりません。

●健康影響評価(相談者に対する追跡調査)
・区が把握している相談者の健康状況を半年に一回程度継続的に調査し経過を見る。
(堀部やすしコメント)
 あくまで「相談者」だけです。区に健康不調を訴えていない方や、区には相談していない方は、調査の対象となりません。なお、区に申し出や相談をされた方は、累計で百数十人程度です。

●環境行動指針の策定
・地球環境保全のために、区民・事業者が取り組むべき指針を策定。わかりやすい啓発用冊子を作成。
●井草森公園周辺環境問題に関する住民懇談会の開催

・地元住民・学識経験者を中心に意見交換・協議をし、相互理解を深める。
(堀部やすしコメント)
 懇談会は、昨年から始まっています。専門家をお呼びしてお話を伺うということには、意味があるものと思いますが、それが本当に相互理解につながっているのかどうかはよくわかりませんが・・・ それにしても、学識経験者の方々の予定が立たないという理由で、なかなか開催日程が決まらないのは、なんとかならないものなんでしょうか?

●「ダイオキシン類発生抑制に関する条例」の制定
・原則として区民・事業者に焼却行為を禁止するもの。規則で認められた焼却行為については、年1回以上の報告義務づけている。なお、区長は、必要な場合、立入調査や、違反者に対する氏名等の公表ができる。このほか、汚染調査の実施や、ダイオキシン類発生抑制基本方針の策定を区長に義務づけている。
(堀部やすしコメント)
 23区内では、昨年、渋谷区が先駆的に、こうした条例を制定しています。杉並では、今回の定例会で議案が提出されています。立入検査や違反者に対する氏名公表が、本当に実施されるならば、たいへん画期的なものだと思います。ただ、この条例は6月1日より施行されますが、残念ながら、焼却行為の禁止については、1年間の猶予規定があります。問題は深刻であり、猶予期間は半年程度で十分ではなかったかとも思うのですが? なお、区内でもダイオキシン類調査(年4回、区内5地点で大気分析・土壌分析を実施)が行われます。

●新たな環境問題の情報収集・提供
・環境ホルモンなど新たな環境問題に関する情報を収集し、提供するコーナーを設置。
(堀部やすしコメント)
 杉並中継所周辺で被害を訴えていらっしゃる方々の症状は、化学物質過敏症に類似しているとの指摘もあって、こうした情報も収集されていく予定となっています。これも、「緊急地域雇用対策」という名目で国がくれた補助金を使って行う事業です。

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