杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 No.37


企業・団体献金はなくなっていない
(政治とカネ/シリーズその1)

 杉並の区議会議員として仕事をしていることもあり、これまで、このコーナーでは、杉並区政に直接関係のない話題は取り上げてきませんでした。ただ、地方議員を巻き込む大きな政治的課題が放置されたまま、またしても問題が先送りされようとしつつあり、杉並とは直接関係ない話題ですが、チホウ政治(地方?痴呆?)という広い観点から、問題提起したいと思います.。

 タイトルにつけたように、「実は、企業献金は禁止されていないんです」と言うと、「えっ!禁止されたんじゃなかったんですか?」 と言われそうですが・・・もちろん、昨年末の法改正で、しっかり罰金つきで企業献金は禁止されました。しかし、これが骨抜き・尻抜けになってしまっており、政治家にとって、実に都合のよい法改正になっているのです。今日は、企業・団体献金から「政治とカネ」の問題をみていきましょう。
なぜか政党だけは企業献金を受け取れる
 特定の企業や団体からの大口献金によって、公正な政治の実現が妨げられるのは、多くが認めるところでしょう。政治家に多額の献金をしてきた銀行業界が、その見返りに公的資金を注入してもらったことは、記憶に新しいところです。政治家が大口の献金をしてくれる企業や団体に刃向かえないのは当然であり、従来から厳しい批判がありましたから、企業・団体献金の禁止は、世論の強い支持があったわけなのですが・・・しかし、この点では、実際の法改正は、全く改善になっていないに等しいのです。以下にあげる主な改正点(政治資金規制法)を確認してみてください。

企業・団体(会社・労働組合・職員団体など)は、原則として政治献金をしてはならない
→ が、なぜか政党への献金だけはしてもよい
個人献金は認められているが、無所属の場合は1人 1,000万円まで。
→ しかし、政党や政党の資金団体への個人献金は、なぜか2,000万円まで認められている

 法改正のポイントを簡単に整理すると、@個人はダメでも政党は企業献金を受け取れる、A個人献金でも、政党議員に対しては、多額の献金をすることができる、ということになります。

 なぜ、このような意味不明のルールができてしまうのか、常識ではサッパリ理解できないのですが、おそらくその理由は、@無党派層が増えて政党不信が強くなり、ますます個人献金が期待できなくなった、A国会議員の98%は政党に所属しているので、政党を適用例外にしてもらえれば収入減にはならない、ということではないかと思います。

みんなで作ろう?「政党支部」

  さて、さすが政治家のみなさん方は賢い方ばかりいるものです。この法改正を受けて、さっそく多くの議員のみなさん方が、自分の家や事務所を「政党の支部」として登録しだしました。企業献金を廃止したといっても、政党なら受け取れるのですから、自分の家や政治事務所を「党の支部」として、選挙管理委員会に届け出ればいいのです。

 こうして、いままで個人でいただいていた企業・団体献金は、各自が作った「党の支部」がこれを受け取ったことにするようになりました。こうなると、いくらでも企業献金を受けることができるわけですから、悪徳政治家には、願ったり叶ったりの抜け道ということになります。法改正は、実は何の効果もなかったということが、おわかりいただけるでしょう。帳簿がひとつ増えるだけで、こんなにもメリットがあるのですから、これを利用しない手はないのです。

 こうして、最近では、妙な党支部が各地に乱立するようになってきました(横浜支部・世田谷支部・・・といったもののほかに、さらに東京第○区支部(小選挙区単位の支部)や、××区第2支部・・・といったような複雑な形で出現しており、なにがなんだか、素人にはよく分からない状況になってきています。

なんのための政党助成金だったのか?

 すでに何年も前より、政党(法律に規定されている要件を満たした政党)に対しては、政府より政党助成金が支払われています(国民一人あたり250円相当)。その年額は、自民党が約150億円、民主党が約70億円などとなっており、所属議員や予定候補者の当選をめざして、自由に使って良いことになっています。

 ただし、この政党助成金は、企業・団体献金を廃止する代わりに、それを補うものとして導入されたはずなのです。しかし、こうして何年経っても、企業・団体献金は依然として残っており、政党助成金と企業・団体献金の両方をそのままもらっている異常な状態が続いています。いまだにヒモつきの企業・団体献金を堂々と受け取り、さらに政党助成金までもらえる・・・いったい、なんのために政党助成金制度をつくったのか、本来の意味はすっかり忘れ去られてしまっています。

 結局、ソンをしているのは、ごくふつうの納税者なのです。政党助成金の出所はあくまで税金であり、それは国民一人あたり250円相当です。つまり、「支持政党なし」という人々の税金もまた、政党に流れているということになるのです。この財政難の最中で、なぜ、支持してもいない政党にまで、わざわざ税金から助成金を支給してあげなくてはならないのでしょうか? 

政党助成金ではなく「政治活動助成金」にし、各自が助成先を選択できるようにしては?    

  そこで私が提案したいのは、企業献金や政党助成金は名実ともに廃止し、それを政治活動の助成金として、各自が好きな政党・政治団体・議員・候補者予備軍などに自由に助成できるという制度の創設です。政治活動に本当に必要な経費は、この助成金や個人献金でまかなうことを明確にするのです。

 残念ながら、企業・団体の大口献金は政治腐敗の温床となっていますし、政党助成金にしても、支持してもいない政党にまで自分の税金が流れるという理不尽な制度になっています。このようなバカげた制度は早く廃止するべきです。

 そもそも、政党助成金は国民一人あたり250円という計算式があったはずですから、それを各自が支給先を選択できるとなれば、公平公正な制度になるのです。有権者自らが支給先を選ぶことで、政治家への興味・関心が働くようになるとともに、政治家への監視の目も厳しくなっていくはずです。また、支持できる政治家がいない場合は、その予備軍や適任者に助成し、理想の政治家を市民自らが育てていくということも可能になるはずです。

 みなさんは、どうお考えになりますか?  ぜひ、ご意見をお寄せください



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