杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 No.29
杉並区の「緊急雇用対策」
雇用対策として放置自転車の撤去を実施することに「新規性」があるといえるか?

 今期の定例会が終了しました。可決された内容のうち、影響の大きなところとしては・・・学童クラブの保育時間が延長される一方で、来年度より新しく保護者負担制度が導入されることがあげられます(月3,000円。ただし激変緩和措置として来年度は月1,000円、再来年度は月2,000円に軽減される)。私は決算審議でも、区の行政改革の進め方は優先順位が間違っていると指摘してきたところですが、この問題については、時間延長などの前進もみられることから、賛成しました(反対したのは共産党など)。


 雇用対策は,「手に職がつくもの」も提供しなければ意味がないハズ


 今回、私がとくに問題を指摘する部分は、政府の補助金により実施される「緊急地域雇用対策」のあり方と、区議会が都に提出する「私学助成の拡充についての意見書」のあり方でした。なお、後者については、私を含む少数会派は、定例会最終日まで、この件が本会議に上程されることすら知らされておらず、大いに異議があるのですが・・・とりあえず、今日は前者の緊急地域雇用対策のあり方について論じた補正予算第3号に対する私の本会議での意見開陳を以下に掲載しておきます。緊急対策とはいえ、一時的に雇用するだけで後には何にも残らないというようなものに安易に予算をつけるのは間違っており、その点を指摘したものです。雇用対策なら、いわゆる「手に職がつくもの」も提供していかなければ意味がないと思うのですが。

 ※なお、緊急地域雇用対策事業は、本年度から平成13年度までの期間限定事業。政府決定による緊急対策という現実的な問題を踏まえ、今回は反対こそしませんでしたが、今後は安易な予算のつけ方をしないよう、強く要望しました。



 「緊急地域雇用対策」
についての意見要望 

 この度、政府の方針で「緊急地域雇用対策特別補助金」が交付されることとなり、本区においても、今回の補正のなかで予算化され、まさに緊急に雇用対策が実施されることになりました。杉並区では、3億8550万円を事業期間である平成13年度までの間に活用することになるわけですが、いうまでもなく、その使い道は、国の定めた事業内容や趣旨に沿って判断していくべきものであります。

 まず、この補助事業は、教育・文化・福祉・環境・リサイクル等緊急に実施する必要が高い事業に限定して実施するものであり、建設・土木事業は、補助の対象外と規定されております。また、補助対象は、補助金の交付以降に新たに実施する事業で「新規性」があるものという制約があったはずであります。

 しかしながら、今年度の区の補助事業のうち、土日の駅前放置自転車対策への補助は、これに適合したものでありましょうか。補助金の趣旨からみて、本来、土木費である放置自転車対策費をつけることが適切なものとはいえませんし、また、そもそも放置自転車対策じたいは、何ら「新規性」のないものであります。

 
(真の雇用対策とは?)

 いくら緊急対策とはいえ、本来、雇用対策は、今後、継続して雇用が期待できるものや、今後収益が見込め、以後新たな雇用を生み出す可能性のあるものに、その取りかかりを与えるものでなければなりません。先の決算審議の中でも、来年度はホームヘルパーの養成のために、予算化を図っていただきたい旨の提案が他の会派より出されておりましたが、現在の強い社会ニーズ・需要動向を考えれば、当然の指摘かと思います。時代背景を考えれば、ハードよりソフト面に予算をつけていくべきなのが、これからの時代でありまして、こんな時代に、一時的であっても、とにかく雇用を生み出すことができれば何でも良いという考え方で、安易に土木予算をつけるのは、時代錯誤も甚だしいものであります。

 もちろん、土日の放置自転車対策は、それはそれで必要な事業でありますから、今回は反対はいたしません。しかしながら、再度確認いたしますが、放置自転車対策は、明らかに土木費でありまして、今回の国の規定をみても、この補助金の中から、放置自転車対策を行うことは、不当支出のそしりを免れえないものであります。規定には、ハッキリと建設・土木事業は対象外と書かれているのでありますから、来年度以降は、この補助金の中から放置自転車対策を実施することは差し控えるべきであります。今年度は、まさに緊急のことで、対応も苦慮されたことでしょうから、百歩譲って承認いたしますけれども、来年度以降は、くれぐれも一時的な雇用に終わってしまうような助成のあり方をなさらないよう、お願いしたいと思います。そして、真の雇用対策、つまり今後、継続的に雇用を生み出すことができるような事業・研修などへ助成されるよう、強く要望いたします。

 
(駆け出しのNPOにもチャンスを与えること)

 また、本事業の目玉は、NPOへの事業委託が想定されていたことであります。ところが、全国的にみても、この事業にあたってNPOの活用が進んでいるところは少なく、ひどいところでは門前払いを食わされているようなところもあるやに聴いております。本区においても、それ相応の実績がなければ、委託先にはならないというようなお話でありますが、そのようなことでは、いつまで経っても、NPOは育ってこないはずであります。ぜひ、今後は、この対策の趣旨を明確にお酌み取りいただき、NPOを育てるという視点からも、この補助金を適切に活用していただきたいと思います。



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