杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 No.21



「杉並病」解決に向けて集中審議



 2週間前にできている報告書を当日まで配らないお役所

 9月第2週にお伝えしたとおり、いわゆる「杉並病」について、区の実施した健康調査の結果、清掃局・杉並中継所の存在が「限りなくクロ」に近い存在であることが明らかになりました。そこで、9月末の区議会・災害環境問題対策特別委員会では、この健康調査の結果をめぐって集中審議が行われ、私も委員の一人として、これに参加しました。

 区の調査結果報告の要旨は、9月第2週のこのコーナーをご確認いただきたいのですが、 委員会当日の朝になって、ようやく詳細な報告書が私のもとに届きました。どういうわけか、すでに完成しているはずの報告書が、委員会で審議する当日の朝まで出してこないという役所のやり方は腹立たしい限りですが・・・お役人さまに何かヤマしいところがあるからこそ、そんな意地悪をする、と考えていいんでしょうか? どうなんでしょう?


  ここ一年は症状が鎮静化している?!


 しかし、そんなグチを言って塞いでいても仕方ありませんし、委員会は10 時スタートでしたから、約一時間程度で目を通し、これまで調査し勉強してきたことを踏まえて、頭を整理し審議に望みました。

 とくに私は、杉並病がここ一年は鎮静化していると区が言い張ることに対し、今回の調査手法では、そのようなことをうかつに言うことはできないこと等を指摘し、区の見解の矛盾を追及しました。それでも、区長はじめ区のお役人さま方は「ここ一年は鎮静化している」と言い張っていましたが・・・常識的に考えておかしいと言っているのですが、それでも強情に認めないお役人さまを見ていて、得体の知れない圧力を感じたものです。まるで、どこかから圧力がかかって、そうとしか言えないと言わんばかりの態度なのです。しかし、現実に被害が広がっていることを考えてみれば、鎮静化しているなどと平気で言ってしまう区の認識は、実態から背を向けているに等しい状況です。幸い、私の指摘が理論的で見事だったとお褒めくださった方もあり、私は今後も「鎮静化していない」という立場で、改善を求めていきます。


 水俣病の教訓


 こうして、区の姿勢は、東京都清掃局の見解を後追いしているだけのようでしたので、いろいろと疑問をぶつけてみたのですが、区はこれまで解決に向けて「現実的な代替案」を検討したこともなければ、それに取り組んでいく予定もない、という具合の答弁に終始してしまいました。前向きに考えていこうという姿勢よりも、とにかく中継所は必要不可欠のものである、という姿勢を崩さないのです。あのバブル華やかな時代(ゴミも多かった時代)には、この中継所は存在すらなかったはずなのですが・・・

 杉並中継所を一時操業停止し、原因調査を行うことについても、将来の可能性こそ否定しなかったものの、結局は「できない」「無理」の一点張りに終始してしまいました。それは執行機関の責任感から出たものかもしれませんが、これでは「水俣病」の教訓をすっかり忘れてしまっているとしか思えません。区は、今後、都や国に問題解決に向けて協力要請していくとはいうものの・・・清掃事業は来年度から都から区に移管され、区が責任を負っていかなければならないのです。都や国にいつまでも責任を押しつけていられる状況ではないはずなのです。

●注● 「水俣病」

 4大公害病の一つ。熊本県水俣市で発生したことからこの名がある。水俣では、病気の原因が工場排水にあったことが周知の事実であったが、それが「科学的に証明できない」という理由だけでいつまでも放置されたため、被害が拡大し、大惨事となってしまった。なお、水俣病は、発生から7年後に工場排水の有機水銀が原因であると解明されたものの、政府がこれを正式に認めたのは発生から12年も後のことだった(もちろん、患者への補償に税金が使われていることは言うまでもありません)。



 民主党を除く全会一致で
 「中継所の操業を一時停止した上で、より厳密な調査を行うよう求める」


 先日の特別委員会は、途中で暫時休憩し、陳情者のお一人でもある工学博士の津谷先生が補足説明をしてくださったのですが、どうやら、この問題でも、都はお役所の常套手段である情報隠しをしており(資料を捨ててしまった、という行政がよく使うパターン)、行政の対応にも疑問が残ることが改めて分かりました。

 議会としては、科学的に証明できないという理由だけで対策をこまねいているのは、由々しき問題であるとの判断から、区民から出されていた「杉並中継所の一時操業停止を求める陳情」を多数決で採択し、別途、都にも意見書を提出することを決定しました。

 残念なことに、陳情採択と意見書の提案者に民主党の議員が加わらず、最後の本会議の採決でも、民主党の議員が退場してしまい(なお、井草在住で、民主党会派に参加している押村貞子議員・当選1回は退場せずに賛成にまわりました)、正確には全員一致の上で意見書が出たわけではありませんが・・・それでも、他の議員が要望したことを受けて、翌日には区長が環境庁に出向きましたし、解決に向けて、ようやく動き出したとはいえると思います。

 もちろん、これは問題の「終わりの始まり」に過ぎないことは言うまでもありません。区民にも自覚が必要な問題として、真摯に受け止める必要があるという観点から、改めて別のコーナーでふれたいと思っています。



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